川流不息

絶賛テレワーク中!の日々のメモ

後継者にはならなかった

昔、生け花を習いに行っていました。

習い事にはたいていランク付けの制度があり、その先には指導者への道が開かれています。私が通っていた生け花の流派にもそのような制度があり、『級』が上がっていくと『家元』、『家元』にも更にランク付けがあり、精進を重ねて上のランクに上がっていきます。

『級』を上がっていくには月に1回『本部』での『研究会』に出て、その流派の上のランクの先生方の採点を受けなければなりません。『研究会』でいい得点を取ると『優秀賞』が送られます。私は自分では生け花のセンスは無いといいますか、ただ教えられた型通りに必死に生けていただけなのですが、何回か『優秀賞』をいただいていました。

何回か『優秀賞』をいただいていたこともあり、自分の先生に妙に気にされてしまい、当時既にご高齢だった先生から「あなたはお仕事してるというけれど、特に資格を持って働いているわけではないようだし」、自分の跡継ぎになってはどうかと尋ねられました。

先生としては鍛えれば何とかなりそうに見えた弟子に期待して言って下さったのでしょうが、週2回のお稽古の日にはいつも夜11時過ぎまで生け花の練習に打ち込んでおられるとおっしゃっていた先生ほどの熱意が私には無く、型を真似るのに精一杯の自分が後継者なんて無理だと、私はそのまま逃げるようにお教室を辞めてしまいました。先生があんなことをおっしゃらなかったとしても、私は『家元』を極めていく厳しさについていくことが出来ずにいずれにせよ止めてしまっていたと思います。

以上、最近、また家に花を飾るようになり、昔使った花ばさみを使うようになったら、いろいろ思い出した昔話の1つでした。

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