「いい人」をやめると楽になる
「いい人」をやめると楽になる...曽根綾子さんの本の題名で短編集です。私が初めて読んだのはもう10年以上前になります。
私がこの本の表題の言葉に救われたことはこれまで少なくとも2回あります。
1度目は、職場で、周りの人達に気持ち良く働いてもらおうとするあまり、自分が疲れ切っていました。それを見かねて、同僚から「全員に好かれるのは無理なのだから気にするな。」の趣旨のことを言われ、そりゃそうだと開き直ることで乗り切りました。
2度目は、出向のような外部の職場で、自分や自分の組織をよく思ってもらおうとして気を使い過ぎてくたくたになっていました。自分の組織に戻った時に「そういうタイプの人間だった？」のようなことを言われ、我に返りました。
『いい人』を止めると、それまでの気を使い過ぎていた私を『いい人』だと思って付き合ってくれた人の中には離れていく人もいます。それでも、本来の自分を出したら付き合えない人なのであるから仕方無いのだと割り切って、離れていく人には無理して『いい人』を演じることなく見送ることにしています。
この本をもう最近はほとんど開くことも無いのですが、本棚の隅にずっとこの本を置いておき、この本の背表紙が見える度に自分自身に「あまりええ格好しいで無理しなくてもいい」と問いかけています。
